THE LEGEND OF FANCY REALMは、ファンタジーRPGでありながらも種族・国家・戦争・復讐が複雑に絡み合った世界観が特徴で、単純に「勇者が魔王を討伐して世界を救う」という王道的な展開にとどまらないのが今作の特徴。

世界観・ストーリー

舞台となるのは「神に祝福された大陸」ファルシオン。

もともとはエルフの故郷だったこの地では、1000年前に起きた「魔神戦争」で三大魔神を討伐するため、各種族が手を組んだことで信頼関係が生まれ、やがて様々な種族が共に暮らすようになる。

しかし、その平和も長くは続かず、それぞれの種族が力を蓄えていく中で人族と翼族の紛争が勃発。世界は再び戦乱の時代へと突入することとなる。

アニメーションさながらのバトルシーンと戦略性の高い戦闘システムが売り

戦闘ではアニメさながらの迫力あるバトルシーンが展開され、クラスチェンジを行うことで攻撃時のアニメーションもより激しく、カッコよくなるのが面白い。

また、スキルや魔法を使用する際には各キャラ専用のカットイン演出が入るため、見応えのある戦闘を楽しめる。

フィールドではマス目に沿って移動するシミュレーション形式だが、各キャラの素早さによって行動順が決まるため、敵味方が入り乱れる戦略性の高いバトルシステムとなっているのが面白い。

特殊スキルは移動後にも使用できる一方で、魔法は即座に発動できるものの移動後には使用できない仕様となっている。

しかし、魔法の強力さを考えれば、この辺りはバランスの取れたシステム。

歯応えのある難易度であると同時にやや極端な戦闘バランスとも取れる本作

戦闘難易度については、ノーマルでもそこそこ難しく、特に中盤以降は物理攻撃が通りにくくなる一方で魔法の威力が非常に高くなり、先手を取った側が有利になりやすい傾向にある。

そのため、基本的には前衛キャラで敵の攻撃を受け止め、耐えたところを魔法で仕留めるという戦い方が中心となる。

ただし、クラスチェンジが可能になるとキャラクターの能力が一気に強化されるため、難易度の変化はかなり極端なイメージ。

なお、クラスチェンジには各パラメーターが一定値を満たす必要があるものの、それまでに振り分けたポイントを還元して再配分できるシステムも用意されているのでこの点は非常にありがたかった。

各キャラの目的が明確なため常に感情移入できる

ストーリーでは、各キャラクターの立ち位置や目的が分かりやすいのも見所。

復讐のために生きる者、人探しのために旅をする者、失った祖国の繁栄を取り戻すために戦う者など、それぞれが異なる事情や目的を抱えて行動している。

そのため、キャラクターごとの背景や想いに感情移入しながらストーリーを楽しめるのが魅力で、単純に「世界を救う」という共通の目的だけで物語が進まないところにも面白さを感じた。

サブクエストなのにサブクエストではない理不尽さ

終盤になると、強力な装備が手に入る様々なサブクエストが登場するものの、最終ステージのボスは火力が非常に高く、それらの装備を揃えなければクリアが困難なほどの難易度となっている。

そのため、実質的にはサブクエストの攻略が前提となっているようなゲームバランスは少し気になった。

もはやサブクエストというより必須クエストに近い印象で、もちろんレベルを十分に上げていれば強力な装備がなくても突破できた可能性はあるが、この辺りはもう少しバランスを調整してほしいと感じた。

クリア後の再プレイは単純に敵が強くなってニューゲームではない

ゲームクリア後には、そのデータを引き継いで再プレイできるようになっているが、単純に敵が強くなるだけのニューゲームではない。

本編では各ステージに用意された特殊クエストを達成することで「オーディンの紋章」を入手でき、クリアまでに所持していた紋章の数に応じて様々な特典が得られる仕組みとなっている。

さらに、その特典の中には次回プレイ時に特定のアイテムを所持した状態で決められた時期や場所を訪れることで、特殊イベントが発生するものもある。

例えば、今回のクリア後に入手できたセーラー服はヒロインが装備可能となっており、所持した状態で再プレイすることで専用イベントが発生する。

このように、単に敵が強くなるだけでなく、周回プレイの先に新たなイベントや楽しみが用意されているのは非常によかった。

シミュレーションRPGなのにカードゲーム要素もある

ゲーム中は本編を進めるだけでなく、カードを使った対戦も楽しめるようになっている。

対戦相手は主に酒場や港にいる住民たちで、勝利すると新たなカードを入手することも可能。

デッキは40枚で構成されており、カードを配置すれば後は自動で戦闘が進行するという分かりやすいシステム。

カードゲームがメインではない本作だが、非常に面白い作りとなっており、思わず本編をそっちのけで遊んでしまうほどのクオリティに仕上がっているのが魅力的。

まとめ

THE LEGEND OF FANCY REALMは、種族や国家の思惑が複雑に絡み合う重厚なストーリーに加え、戦略性の高いシミュレーションバトルや自由度のある育成システムなど、様々な要素が詰め込まれたファンタジーRPG。

戦闘バランスには少し極端な部分も感じられたものの、迫力あるアニメーション演出や個性豊かなキャラクターたちが織りなす物語は非常に魅力的で、最後まで楽しむことができた。

また、クリア後の周回要素やカードゲームといった寄り道コンテンツも充実しており、本編以外にも長く遊べる作りとなっている。

王道ファンタジーとは一味違った世界観や、戦略性のあるバトルを楽しみたい人には、ぜひ一度プレイしてほしい作品。